春色の恋−カナコ−[完]
河合さんの言葉に、私はゆっくりと後ろを振り返ると、そこにはリビングの扉にもたれるようにして腕を組んでいるおにいちゃんがいて。

「おはよう。お茶くらい飲んでいくだろう?」

なんだかいつもよりも怖い感じのおにいちゃんに、いつになく緊張してしまう。

私はあわててスリッパを並べて、河合さんをリビングへと案内すると、おにいちゃんがお茶を入れてくれていた。

「どうぞ」

コーヒーとかじゃなくて、日本茶。

美味しいけど、おにいちゃんが何を考えているのかわからない。

おにいちゃんの向かい側に座った私の横に、ごく自然に腰をおろした河合さん。

熱いお茶をゆっくりと啜っていた。

「コウヘイ、カナコちゃんを明日まで預かってもいいか?」

おにいちゃんの顔をまっすぐ見ながら河合さんが真剣な顔をしていて。

それにこたえるかのように、おにいちゃんも決して視線を逸らすことなく河合さんを見ていた。

「…責任が取れるのか?」

「え?」

おにいちゃんの言葉に、思わず声が出てしまった。

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