知ってしまった夫の秘密
一時間ほど歩くと、よく知っている駅が見えてきた。私が勤めているレストランの最寄り駅だ。
普段は電車で通勤している道のりを、まさか歩いて来てしまうとは。
そのまま駅を通りすぎ、クセのように足はレストランへと向かう。
店の中はまだ明かりがついていた。営業時間はそろそろ終了だから、閉店作業中なのかもしれない。
しばらく立ち尽くしたまま動けずにいると、店のドアが開いて佑さんが外に出てきた。
「似てる人が外にいるなぁって思ったけど、やっぱり真琴さんだった。どうしたの、こんな時間に」
「こんばんは。ちょっと……さまよってて……」
「とりあえず入りなよ。もうほかにお客さんいないし」
促されるまま店内に入っていけば、なにごとかと千彰くんが厨房から出てきたけれど、佑さんが片づけは途中でもいいからと千彰くんを帰してしまった。
一番近くにあったカウンター席の椅子に腰をかけると、太ももやふくらはぎの筋肉が張っていてダルいことに気づく。
無心で長距離を歩いたせいで、脚が悲鳴をあげていたみたい。
普段は電車で通勤している道のりを、まさか歩いて来てしまうとは。
そのまま駅を通りすぎ、クセのように足はレストランへと向かう。
店の中はまだ明かりがついていた。営業時間はそろそろ終了だから、閉店作業中なのかもしれない。
しばらく立ち尽くしたまま動けずにいると、店のドアが開いて佑さんが外に出てきた。
「似てる人が外にいるなぁって思ったけど、やっぱり真琴さんだった。どうしたの、こんな時間に」
「こんばんは。ちょっと……さまよってて……」
「とりあえず入りなよ。もうほかにお客さんいないし」
促されるまま店内に入っていけば、なにごとかと千彰くんが厨房から出てきたけれど、佑さんが片づけは途中でもいいからと千彰くんを帰してしまった。
一番近くにあったカウンター席の椅子に腰をかけると、太ももやふくらはぎの筋肉が張っていてダルいことに気づく。
無心で長距離を歩いたせいで、脚が悲鳴をあげていたみたい。