知ってしまった夫の秘密
 結婚して子どもができたら、休みの日には家族で近所の公園で遊んだりして。それが普通だと思っていた。
 自分が普通の幸せを手に入れていないと気づきつつ、臭い物に蓋をして目をそむけてきただけだ。

 巡二が村本さんを本気で愛していないのだとしても、私のことも女として愛していないのは明らかで。
 それを思い知らされてしまったのだから、私はもう、巡二と夫婦を続けていくのは難しい。

 ジェノベーゼのニョッキを食して脳に糖分が行きわたったからか、少しずつ考えがまとまってきた気がする。
 いや、佑さんに洗いざらい聞いてもらってスッキリしたせいかもしれない。


「今夜はこれからどうすんの? 実家に泊まるとか?」

「私、実家は高知なんで、今から行くのは無理で……」


 あのまま巡二と同じ空間にいるのが嫌で家を飛び出したものの、今夜どうするかまでは考えていなかった。
 財布とスマホはあるから、一晩くらいどうにでもなりそうだけれど。


「家には帰りたくないし、ホテルかネットカフェにでも行こうかな」

「じゃあ、俺の部屋に泊まる?」

「……へ?」

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