再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「真綾をいたずらに後悔させたり不安にさせるために教えた訳じゃない。自分を責めすぎないで」
「……でも」

 ノアに救いを求めるぐらいだ。よほど真綾を心配してのことだったはず。
 後悔に苛まれていると、ノアは「さぁ、ランチを食べて」と勧めてくるが、そんな気分ではない。

 カフェオレに口を付けて、再びため息を零す。
 ここ数年、表面上は平和だった。それは、央太を頭の片隅に追いやっていたからだ。
 ただ、目の前だけに集中し、幹太を育てることだけに全力を注いでいた。
 それができる環境だったからだ。
 
 だけど、日本に戻ってきて、どうしたって央太のことを思いだしてしまう。
 それも仕方がないのかもしれない。未だに彼が好きで、好きで、好きで仕方がないのだから。

 日本には、これだけ多くの人がいるのだから央太と再会なんてない。大丈夫。
 彼はもう過去の人だ。きちんとその辺りの踏ん切りはできている。
 そんなふうに自分に言い聞かせていたのに、結局は全然大丈夫じゃなかった。

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