再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～
　幹太が何を血迷ったか。真綾には今、夫がいないことを話してしまったこと。

　それらをノアに伝えると、「なるほどね」と真綾の苦悩をわかってくれたようだ。
　コーヒーカップを手にしたあと、ノアは真剣な面持ちで真綾を見つめてきた。

「じゃあ、僕に任せてくれないかな？」
「え？」

　ビックリして視線を上げると、そこには柔らかな表情で目尻を下げている彼がいた。
　目を丸くして彼を見つめていると、小さく声を出して笑われる。

「ふふ、そんなに驚かなくたっていいじゃない。大丈夫、悪いようにはしないよ？」

　ニッコリとほほ笑んでくるノアだが、それをすぐさま拒否した。
これは真綾自身の問題だ。ノアに手助けしてもらうのは、間違っている。
　
「いえ、大丈夫です。ノアに迷惑は――」
「迷惑なんていっぱいかければいい」

　畳みかけるように真綾の言葉を遮り、ノアはキッパリと強い口調で言う。
　戸惑っている真綾を情熱的な目で見つめたまま、彼は前のめりになる。

「僕は真綾のためなら何でもするよ？」

　親切心だけで言っていないことはわかっているからこそ、キチンと拒まなければならない。
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