再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 再度その思いを強めていると、ノアは不憫そうに見つめてきた。

「薄情者の永江先生だけを想っているなんて、真綾が不憫すぎる」

 呆れかえった様子のノアを横目で見たあと、ようやくサンドウィッチに手を伸ばす。
 一口食べ、咀嚼したあとに未だにこちらを見つめているノアに言う。

「そうですか? 結構思い出だけで生きていけるんですよ。それに私には――」

 続けて言おうとすると、これまた呆れた様子でノアは唇を尖らす。

「幹太がいるし?」
「その通りです」

 深く頷くと、ノアはようやく体勢を起こして再びため息交じりで呟く。

「僕が幹太になりたい」
「こんなに大きな子どもはお断りです」
「はぁぁぁ」

 盛大にため息をつくノアに「早く食べてしまいましょう」とランチを勧める。
 渋々といった様子で口を動かすノアを見て、真綾もサンドウィッチを口に運んだ。

 早々と食べ進め、ノアと一緒にカフェを出てオフィスビルへと向かった。
 すると、ビルにあるロータリーに見覚えのある車があった。恐らく央太だろう。

 そのことにノアも気がついた様子だ。チラリとこちらを見て「真綾」と名前を呼んでくる。
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