再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 二人して警戒心を高まらせていると、車から央太が颯爽と出てきた。

 相変わらずのオーラに圧倒されていると、彼はノアに小さく会釈をしたあとに真綾と対峙してくる。

「真綾、約束は?」
「……」
「いつまで待っても連絡が来なかったんだが?」

 ノアがいる前なのに、央太は真綾に話しかけてきた。そのことに驚いたが、これは彼なりの牽制なのではないかと睨む。

 社内で再会したあの日、真綾はノアに口説かれていた。それをさりげなく助けてくれたのは央太だ。

 あのとき、何でもない様子で助けてくれたが、ノアと真綾の会話が耳に入っていたのではないか。

 口を噤んで思いを巡らせていると、央太はより真綾に近づいてくる。
 これ以上、この場でやり合うことは賢明ではないだろう。
 諦めて、央太と対峙することを決めた。

「スミマセン。ここ最近まで、とても忙しくて連絡どころではありませんでした」

 幹太の看病と仕事が忙しかった。そこに嘘はない。
 笑顔で応対すれば、それ以上は言われないだろう。そう思って表情を緩めるが、そんな真綾の思惑などお見通しのようだ。
 央太は、小さく笑いを噛みしめた。

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