再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「でも、あの男がいなくなった。ものすごく永江先生には感謝しているんです。みんな、そう言っています」

 少し落ち着いてきたのだろう。品川は消えそうな笑みを浮かべた。
 でも、やっぱり不安は消えないようだ。小さくため息をこぼす。

「どうして今頃またここに来たんだろう……」

 本当にそうだ。どうして出向先ではなく、再び古巣に戻ってきたのか。
 首を傾げる彼女の背中をさすっていると、出勤してきたノアが心配そうに駆けつけてきた。

「どうしたの? 大丈夫?」

 ノアは品川の顔を見て、より顔を険しくさせる。そして、真綾に視線を向けてきた。
 事情を知りたいということなのだろう。
 小さく頷いたあと、品川の顔を覗き込む。すると、青みがかっていた彼女の顔が、いつものように戻ってきた。

「大丈夫です。仕事に行きます」

 勢いよく立ち上がった彼女に、ノアは心配そうに声をかける。

「無理しなくてもいいよ。少しお茶でも呑んでおいで。真綾、頼む」

 大丈夫ですから、と遠慮した品川だったが、彼女の腕に手を回して安心させるようにほほ笑みかける。

「ほら、行きましょう。品川さん」

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