再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 幹太の年齢を告げてしまったら、恐らく逆算するだろう。そうすれば、芋づる式で幹太が央太の子どもという可能性があるとわかってしまう。
 それだけは、何が何でも避けなければならない。

 口に出そうとしていた言葉を呑み込み、改めて口を開く。

「今、二歳なの」
「……そうか」
「ええ」

 幹太が二歳だということにしておけば、央太との間に出来た子どもだとは思えないだろう。
 同時に、幹太は別の男性との子だと勘違いするはずだ。

 チラリと横で運転している央太を見る。まっすぐ前を見つめる目は、あの頃と変わらず涼しげだ。
 だが、頬が強ばっているように見えるのは気のせいだろうか。

 それ以上、央太は口を開くこともなく、ただカーナビの指示通りに車を走らせている。
 何も聞かれないことに安堵しつつも、彼と何か話したい。
 そんな矛盾めいた気持ちを抱くのは、きっとおかしなことだ。

 キュッと再び手を握りしめていると、車は保育園の駐車場にゆっくりと停止した。
 これ以上、彼の近くにいたらどうにかなってしまう。
 何を口走ってしまうかわからない不安にかられた真綾は、慌ててシートベルトを外した。

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