夫の一番にはなれない
本当は、來に言葉にして伝えたい。
今はもう、あなたしか見ていないと。
でも、それをどう口に出せばいいのかわからない。
すれ違いは、いつだって些細なことから始まる。
目を逸らした瞬間、心に溝ができる。
言わなかった一言が、距離を生む。
今のわたしたちはまさにその途中にいる。
このまま何も言わずにいたら、わたしたちはまた最初の位置に戻ってしまうかもしれない。
それが怖くて、たまらなかった。
明日の朝は、ちゃんと目を見て「おはよう」を言おう。
ほんの一歩でも、また來の隣に近づけるように。
少しずつでいいから、もう一度歩み寄りたい。
わたしたちの“本当の夫婦”への道は、まだ終わっていないのだから。