秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
「ねぇ、吐き気って……もしかしてオメデタなんじゃない? 妊娠初期は気持ちも不安定になりがちだもの」
娘のことなどなにもわかっていないくせに、心得ていると言わんばかりの口調が不愉快だった。
「そうか、そうか。妊娠のせいで不安定になったのか」
「マリッジブルーとダブルできたのね、きっと」
「それなら、昴さんも許してくれるさ。むしろ、清香のおなかに大河内家の跡継ぎがいるとなれば大喜びしてくれるはず!」
免罪符を得たとばかりにふたりは安堵している様子だ。
さっそく病院で検査しようと両親に車に乗せられ、清香は近所の産婦人科を受診するはめになった。
(昴さんの子を妊娠しているはずなんてないのに、おめでたいのはどっちかしら)
ぞっとするほど冷ややかな視線を、前で大はしゃぎしているふたりに送る。
この吐き気はふたりに対する怒りからくるものだ。清香はそう思っていたから、医師から伝えられた診断結果を理解するのに少々時間がかかってしまった。
「陽性が出ているので、エコーもしてみましょうか。最終月経から判断すると、妊娠六週くらいで――」
「きゃ~、やっぱり! よかったわねぇ、清香ちゃん」
奈津が両肩に手を置いて、弾んだ声をあがる。けれど、その声はやけに遠くに聞こえた。
(陽性。私が妊娠しているってこと?)
娘のことなどなにもわかっていないくせに、心得ていると言わんばかりの口調が不愉快だった。
「そうか、そうか。妊娠のせいで不安定になったのか」
「マリッジブルーとダブルできたのね、きっと」
「それなら、昴さんも許してくれるさ。むしろ、清香のおなかに大河内家の跡継ぎがいるとなれば大喜びしてくれるはず!」
免罪符を得たとばかりにふたりは安堵している様子だ。
さっそく病院で検査しようと両親に車に乗せられ、清香は近所の産婦人科を受診するはめになった。
(昴さんの子を妊娠しているはずなんてないのに、おめでたいのはどっちかしら)
ぞっとするほど冷ややかな視線を、前で大はしゃぎしているふたりに送る。
この吐き気はふたりに対する怒りからくるものだ。清香はそう思っていたから、医師から伝えられた診断結果を理解するのに少々時間がかかってしまった。
「陽性が出ているので、エコーもしてみましょうか。最終月経から判断すると、妊娠六週くらいで――」
「きゃ~、やっぱり! よかったわねぇ、清香ちゃん」
奈津が両肩に手を置いて、弾んだ声をあがる。けれど、その声はやけに遠くに聞こえた。
(陽性。私が妊娠しているってこと?)