秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
結納をぶち壊した清香はそのまま実家を出て、碧美島にアパートを借りて暮らしている。こちらに来て、もう半年だ。
茉莉が一緒に暮らすことを提案してくれたのだけど、志弦との思い出が詰まったこの地で出産したいと自分で決めたことだ。東京に比べたら家賃も安いし、それなりに大きな島なので分娩が可能な産婦人科もある。思いつきのわりには、悪くない選択だった。
(とはいえ、出産までは貯金で食いつなぐとして、産後はできるだけ早く働き出さないとね)
そのために、臨月のおなかを抱えて就職活動をがんばっているのだが……当然、結果は芳しくない。
ふいに、おなかの子がモゾモゾと動いた。ずいぶん慣れてきたけれど、胎動はやっぱり不思議な感覚だ。くすぐったくて、でも、安心する。
(もしかして、慰めてくれてるのかな?)
「大丈夫よ。仕事は絶対に見つけるからね」
美術にかかわる仕事ならうれしいが、こだわるつもりはない。どんな仕事でもどんどん面接を受けるつもりだ。それに、この島の人たちはびっくりするほど親切なので、畑で取れた野菜や釣ってきた魚のおすそ分けで、食べるものには困らない。
(でも、お金は貯めないと。無事に生まれたら、この子と一緒に志弦さんに会いにロンドンに行くんだから!)
茉莉が一緒に暮らすことを提案してくれたのだけど、志弦との思い出が詰まったこの地で出産したいと自分で決めたことだ。東京に比べたら家賃も安いし、それなりに大きな島なので分娩が可能な産婦人科もある。思いつきのわりには、悪くない選択だった。
(とはいえ、出産までは貯金で食いつなぐとして、産後はできるだけ早く働き出さないとね)
そのために、臨月のおなかを抱えて就職活動をがんばっているのだが……当然、結果は芳しくない。
ふいに、おなかの子がモゾモゾと動いた。ずいぶん慣れてきたけれど、胎動はやっぱり不思議な感覚だ。くすぐったくて、でも、安心する。
(もしかして、慰めてくれてるのかな?)
「大丈夫よ。仕事は絶対に見つけるからね」
美術にかかわる仕事ならうれしいが、こだわるつもりはない。どんな仕事でもどんどん面接を受けるつもりだ。それに、この島の人たちはびっくりするほど親切なので、畑で取れた野菜や釣ってきた魚のおすそ分けで、食べるものには困らない。
(でも、お金は貯めないと。無事に生まれたら、この子と一緒に志弦さんに会いにロンドンに行くんだから!)