秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
 寝室に移動したあとも、幾度も愛を放たれて、本当に身体が壊れてしまうかと思った。
 腕枕でぐったりとする清香に彼はほほ笑む。
「愛してるよ、清香」
「今夜は……存分に伝わってきました」
「あぁ、そうだ。ちょっと待ってて」

 あれだけの行為のあととは思えないほど体力のある志弦は、ひょいとベッドから起きあがり、クローゼットまでなにかを取りに行った。
 戻ってきた彼の手のなかには小さな赤い箱が握られていた。彼はクスクスと笑いながら清香を見る。
「疲れただろうけど、少し起きられる?」
「は、はい」

 なんだろうと思いながら上半身を起こすと、志弦に抱き締められた。いや、正確には、首の後ろに手を回されてなにかをつけられたのだ。
「えっと……」
 清香は自分の胸元に視線を落とす。そこには大粒の碧色の石が輝いていた。

「これ、エメラルド?」
「そう。婚約指輪は完成までに時間がかかるから。どうしても今夜、君になにかプレゼントをしたくて……せっかくのロンドンの夜だから」
「すごく綺麗。碧乃のベビーリングとおそろいですね」
「あぁ。ふたりともよく似合う」
 あまりにも大きな幸せに、胸がいっぱいになる。
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