秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
「知ってる? 有名なデートスポットらしいけど」
「はい、聞いたことは。実際に来たのは初めてですけど」
干潮時に海を割って、細い道ができるらしい。ロマンチックな名称がついていて、岩島まで渡りきれると恋が叶うというジンクスも聞いたことがある。
もちろん祖父はそんなものに興味はないので、以前に訪れたときには見学もしなかったけれど。
「俺も初めてなんだが、せっかくだから下までおりてみる? 道が現れるのは、ちょうどこのくらいの時刻のはずだから」
「はい!」
満面の笑みで答えた。彼も初めてだと言ったことに、少なからず胸が弾む。初体験を共有できることがうれしくて仕方なかった。
浜辺へおりるための階段は、ずいぶんと作りが危なっかしい。「気をつけて」と言って、彼が手を差し伸べてくれた。
手が触れ合うだけで、胸がキュンと疼く。頭のどこか奥のほうから声が聞こえる気がした。
『馬鹿ね。好きになればなるほど、後悔することになるのに』
声の主は、きっと未来の自分だ。
(わかってる。この恋に未来はない。私は彼ではない、別の男性の妻になるのだから)
けれど、どれだけ後悔することになっても構わないと思った。今、この瞬間だけは、この手を離したくない。
「わぁ」
「はい、聞いたことは。実際に来たのは初めてですけど」
干潮時に海を割って、細い道ができるらしい。ロマンチックな名称がついていて、岩島まで渡りきれると恋が叶うというジンクスも聞いたことがある。
もちろん祖父はそんなものに興味はないので、以前に訪れたときには見学もしなかったけれど。
「俺も初めてなんだが、せっかくだから下までおりてみる? 道が現れるのは、ちょうどこのくらいの時刻のはずだから」
「はい!」
満面の笑みで答えた。彼も初めてだと言ったことに、少なからず胸が弾む。初体験を共有できることがうれしくて仕方なかった。
浜辺へおりるための階段は、ずいぶんと作りが危なっかしい。「気をつけて」と言って、彼が手を差し伸べてくれた。
手が触れ合うだけで、胸がキュンと疼く。頭のどこか奥のほうから声が聞こえる気がした。
『馬鹿ね。好きになればなるほど、後悔することになるのに』
声の主は、きっと未来の自分だ。
(わかってる。この恋に未来はない。私は彼ではない、別の男性の妻になるのだから)
けれど、どれだけ後悔することになっても構わないと思った。今、この瞬間だけは、この手を離したくない。
「わぁ」