秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
 甘く優しいキスと、深く情熱的なキスが幾度も繰り返される。少しずつ、でも確実に心と身体を溶かされていく。
「はぁ、うんっ」
 呼吸はしろとアドバイスを受けたものの、彼の大きな手に後頭部を包み込まれていて逃げられないのだ。絶え間ない攻めについつい息をするのも忘れてしまう。酸素を求めて、清香は白い喉を反らす。

「苦しい?」
 からかうように目を細めて、彼はそっと唇を離す。
「いえ……キスってこんなに何度もするものなんだなと」
 普通のカップルがベッドのなかでどのくらいキスをするのが普通なのか、若葉マークの自分にはさっぱりわからない。彼はふっと唇の端だけで笑む。
「あぁ、普通はこんなにしないかも」

 ぐっと、彼は清香に体重をのせた。かすかにベッドがきしむ音が妙にいやらしく響く。
 美しい指先が清香の唇をゆっくりとなぞる。
「これがあまりにおいしいから……やめられなくなった」
 首筋にかかる熱い吐息に全身が熱くなっていく。彼の身体もさきほどより熱を帯びている、そう感じるのは自惚れだろうか。

「もう一度食べたい。いい?」
 昼間とは別人のような煽情的な目つき。けれど、不思議と怖くはない。むしろ……求められていることがうれしくて、清香の優等生の殻も破けていった。
「私もっ、もっとしたいです。キス……」
「キスだけじゃ終わらないけどな」
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