秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
「一般的な家事はそれなりに」
母は家事の苦手な人だったので、自然と覚えた。榛名家は大河内家のように住み込みの家政婦がいるほど裕福ではなかったから。
「この家では一般的な家事を披露する機会はありません。ただ、こなせないのは恥というだけです」
清香が唯一自信を持っていた家事は、なんのプラスにもなりはしない。駒子はそうばっさりと切り捨てた。
(すっかり嫌われちゃったなぁ)
肩をすくめて、小さく苦笑する。最初の電話で反抗的な態度を取ったのが原因だろうか。それとも、清香以外の別の女性が候補になったとしても彼女はこうなのだろうか。
(そもそも、この家も謎だらけだし)
広大な屋敷でたしかに来客は多いようだが、あまり本家という感じはしない。捨て置かれている寂しさのような空気を感じるのだ。
現在は息子夫婦――つまりは、志弦と昴の両親が実質的な当主らしいが、この屋敷で彼らの姿を見たことはない。
志弦は本人の言ったとおりここに住んでいるようだが、広い屋敷だし、彼も忙しいのだろう。最初の夜からは顔を合わせていなかった。
いろいろと気になることはあるものの、駒子には聞きづらい。余計なことをと一蹴されてしまいそうで。
「本日はここまでです」
大河内家の味とやらをみっちり三時間叩き込まれて、ようやく終了のようだ。
(料理は好きだけど、さすがに疲れたわ。今夜はゆっくりお風呂に入りたい)
母は家事の苦手な人だったので、自然と覚えた。榛名家は大河内家のように住み込みの家政婦がいるほど裕福ではなかったから。
「この家では一般的な家事を披露する機会はありません。ただ、こなせないのは恥というだけです」
清香が唯一自信を持っていた家事は、なんのプラスにもなりはしない。駒子はそうばっさりと切り捨てた。
(すっかり嫌われちゃったなぁ)
肩をすくめて、小さく苦笑する。最初の電話で反抗的な態度を取ったのが原因だろうか。それとも、清香以外の別の女性が候補になったとしても彼女はこうなのだろうか。
(そもそも、この家も謎だらけだし)
広大な屋敷でたしかに来客は多いようだが、あまり本家という感じはしない。捨て置かれている寂しさのような空気を感じるのだ。
現在は息子夫婦――つまりは、志弦と昴の両親が実質的な当主らしいが、この屋敷で彼らの姿を見たことはない。
志弦は本人の言ったとおりここに住んでいるようだが、広い屋敷だし、彼も忙しいのだろう。最初の夜からは顔を合わせていなかった。
いろいろと気になることはあるものの、駒子には聞きづらい。余計なことをと一蹴されてしまいそうで。
「本日はここまでです」
大河内家の味とやらをみっちり三時間叩き込まれて、ようやく終了のようだ。
(料理は好きだけど、さすがに疲れたわ。今夜はゆっくりお風呂に入りたい)