雨の音、君の色



あれから、数週間が経った。

放課後になると、毎日のように京介くんは私の家に遊びに来てくれた。

「先輩!見てください!」

そう言って京介くんが見せてくれたのは、京介くんがデジタルで描いたという明るい雰囲気の、でもどこか切なさの残る女の子のイラストだった。

「……すごい……ん?この絵柄、どこかで見た覚えが」

私が最近ハマっている曲のイラストの絵柄が、京介くんの描いた絵柄にそっくりで。

「えへへ……実は僕、イラストレーターとして活動しているんですよ」

「やっぱり……私、最近ハマっている曲があるんだけどさ。最初は、その曲のイラストに惹かれたんだよね……この曲なんだけど」

私はスマホを操作すると、曲に使われているイラストを京介くんに見せた。

「これ、僕が描いたイラストです!この曲、良いですよね。僕も好きです」

京介くんは、嬉しそうに笑う。その笑顔を見て、私の胸はドキッと音を立てた。

「……ねぇ、先輩」

表情を崩して、京介くんは私を見る。ザァッと音を立てて、雨が降り始めた。

「色々と溜め込まないでください……苦しい思いをしている先輩を見るのは、もう嫌なんです。無理なら無理でいいので、僕を頼ってください!」

ぎゅう、と京介くんは私を抱きしめる。

……温かい。温かい、なぁ……。
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