恋なんて、正気の沙汰じゃない!
涼ちゃんこと、神谷 涼。
これでも、私達 2-Cの担任。
整った顔立ちに、モデル並みにスタイルがいい。
それでいて、大人の色気というか……落ち着きがある。
女子からは勿論、男子からも人気の先生。
「尾崎はまだ帰ってなかったのか。」
いつも適当で、どこか気怠そうな先生だけど、人気があるのはルックスだけじゃない。
「何かあったのか?」
そう言って、私の前の席に座る先生。
ん?と、私の言葉を待つ先生の顔をジッと見る。
これだ。
いつもは適当なのに、たまに見せる優しさというか…気遣い。
「…何もないですよ。
これがあったから……」
さっきと同じように日誌を取り出した。
「それ、書き終わってるだろ?」
図星を突かれて、思わず え?と聞き返してしまう。
なんで、知って……
「尾崎は、いつも前もってやってるからな。」
だろ?と、笑う先生。
……そうだ。
先生は、適当だけど、生徒一人一人ちゃんと見てるんだ。
そういうところも含めて、人気なんだと思う。