捕まえたの、俺だから。
これは……私の音じゃないよね?
そっと見上げると、そこには私に負けないくらいに顔を赤く染めた直くんがいた。
あまりの愛らしさに痛いほどのときめきを感じ、それから安堵した心臓が元の速さに近づいていく。
ドキドキしてるのは私だけじゃなかったんだ。
直くんも私でドキドキしてくれるんだ。
それだけでもう十分満足……。
「意外とぎこちないね」
「当たり前だよ。慣れてるわけないでしょうが」
「え、そうなの?」
「残念ながら。だいたい、慣れてたらこんなに赤くならないよ……」
上半身だけが解放され、再び視線が交わる。
私の赤面している顔を確認しているらしく、穴が開くかと思うほどに力強く見つめられた。
そんなに見てもなにも面白くないと思うんだけども。
というか、顔がいい人に見つめられると存在しててごめんなさいって気分になるのは私がネガティブだからってだけじゃない気がする。
「そっか、そうだよね。……よかった」
息をつくように呟き、安心したように和やかに笑む直くん。
こちらまでほっとするような癒される顔だ。
大事なことも忘れてずっとこのまま穏やかな時間を過ごしたい……。