経理部の女王様が落ちた先には
「凄い上手く育ててくれたね?」


全員が去った副社長室に俺だけ残し、従兄弟様が満足そうに俺に言う。


「俺は別に育ててない。
あの子が置かれた前の会社の環境と、そこに俺が少し知識を付けただけ。
あとは岸部長と宮本副部長のお陰だろ?」


「彼女が元々持っていた資質を潰さずにいられたのは、直人がいたからだと思う。」


「そうか・・・?」


「これは、副社長でも従兄弟でもない俺からの言葉だ。友達としての。」



俺は驚き、従兄弟様を見上げる。



「親族の中でも俺達は特に似ていて、結構難しい性格をしていたからな?
この見た目のせいもあったり・・・。
小さな頃から友達という友達がいない中、直人だけは俺の友達だった、ずっと。」



そんな言葉に、俺は笑いながら答える。



「勉君、性格悪いからな?」


「直人だってそうだろ。」


「勉君は礼二(れいじ)さんいるだろ。」


「礼二は友達じゃなくて悪友だな。」
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