先生、私がヤリました。
「ハヅキくん!ごめんね。遅くなっちゃった。」

「おねーちゃん…?」

ケージを開けてハヅキくんを出してあげると、ハヅキくんは私の膝を枕にして、また丸まったんです。

ハヅキくんの体温が膝から伝わって、ちょっと暑かったです。

冷房はつけてたのでハヅキくんが汗をかいてるとかは無かったんですけど、体温が高く感じたのは子どもだからでしょうか。
子どもって体温が高いイメージありません?

「ごめんね。ハヅキくん。眠ってたの?」

「ん…。ロクになった?」

「ううん。ナナになっちゃった。」

「おかえりなさい。」

「ただいま。」

気持ち良さそうに眠り続けようとするハヅキくんを膝からどかすのは可哀想だったけど、ゆすって起こしました。

「ハヅキくん、ご飯食べよ。今日はごちそうだよ。」

「ごちそうってなぁに。おいしい?」

「すっごく素敵ってこと!おいしいよ。」

ゆっくり私の膝から頭を起こして、ハヅキくんはニコッて笑いました。

「うん。食べる。」

こんなに可愛い子、そりゃあ宝物ですよね。
ハヅキくんとの暮らしが長くなればなるほど、なんで奥さんはハヅキくんに冷たかったのか不思議になりました。

きっと私と同じ、「女」だったんでしょうね。
奥さんは心から先生を、先生だけを愛していたんだと思います。
二人で生きていたかったんだと思います。

私が奥さんに抱く感情。
それは多分、同族嫌悪だったんでしょうね。

同じ感情の女なんてこの世に二人も要らない。
先生を愛するのは私だけでいい。

奥さんにはこんなことは出来ない。
先生に愛される為に、唯一無二になる為に。

本当に愛しているのは私だけです。
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