とある悪役令嬢は婚約破棄後に必ず処刑される。けれど彼女の最期はいつも笑顔だった。
数十年後――ある晴れた日。
ベッドの上で私は静かに眠っている。
数日前から、もう自分で体を動かせなくなった。
目を開ける力もない。
最期の時を、穏やかな気持ちで待っていた。
『アメリア、迎えに来たよ――』
今はもう、居ないはずの彼の声が聞こえた気がした。
「あ!ひいおばあちゃま、今笑ったよ?」
「あら、本当ね。なんだかとても幸せそうね」
誰かの嬉しそうな声が聞こえてきた。
ありがとう。私を愛してくれて――
私は、私を愛してくれた家族達に見守られながら、幸せの笑みを浮かべて人生の幕を閉じた。


