咲き誇れ、麗しい華。
全員同い年とは限らないから、新しい人が入ってこないと減ってしまうのは当たり前だけれど……。

もし、彼のように思い詰めてしまった人が他にもいたのなら……。



「そんなしょげんなって。あくまでも昔の話で、今は元気モリモリだから」

「え、そうなの?」

「うん。高校は違うけど、塾が同じでさ。元引きこもりと言われたらビックリするくらい活発で、将来は海外留学したいって言ってるんだよ」



小部屋での日々を語っていた時と同じ笑顔を浮かべて、「早く日曜にならねーかなぁ」と呟いた兄。どうやら先約の相手はその彼だったらしい。


「とにかく、何か気になることがあったら、いつでも聞いていいからな」

「どんな些細なことでも?」

「もちろん。万が一って時はすっ飛んでくるから!」



任せとけ! と言わんばかりのガッツポーズ。


本当にお兄ちゃんは、余計なお世話を……お節介を焼くのが好きだなぁ。でも、小部屋の先輩としては頼もしいかも。


相変わらずの過保護さに苦笑いしつつも、ありがたみを感じたのだった。
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