政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています


 役所に婚姻届けを提出し晴れて夫婦となり、職員の厚意で記念写真を撮ってもらった。

 お礼を述べて車に戻ってから、改めてしっかりと写真を確認したいと恵茉にせがまれてスマートフォンに画像を表示させて手渡す。

 まだエアコンが効いていない車内で服の下に汗を滲ませながら、睫毛が長いな、と恵茉の横顔をぼんやりと見つめた。

 二十四歳か。まだ幼さが残っているから、これからどんどん魅力的になるのだろう。

「綺麗に撮ってもらえているね。それにしても涼成さんってほんとイケメン」

「そうか?」

 どんな顔をして映っているのだろうかと画面を覗き込むと、そこには幸せそうに顔を緩ませた自分がいて驚いた。

 恵茉といるとこんな顔をしているのか。

「恵茉はやっぱり白いな。フラッシュをたかなくてよかった。白飛びする」

 率直な感想を述べると恵茉は「んん……」と眉間に皺を寄せる。これまでに経験したことがある反応だ。
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