政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
下船してタクシーで向かったのは、久我不動産が所有するラグジュアリーホテル。ここまできたら、あまり経験のない私でもこのあとなにが起きるのか安易に予想ができる。
入った部屋はリビングとベッドルームが独立した贅沢なスイートルーム。
カーテンが開いたままの窓からは、宝石が散りばめられたような夜景が広がっている……けれど、景色を堪能できないままドアのそばにあるソファに連れていかれ、上から覆いかぶさった涼成さんに動きを封じ込められた。
「んっ……ぅ」
客室最上階のこのスイートルームに踏み入るまで口を閉ざしたままだったけれど、ついてからもこうして口を塞がれてはさすがに困る。
「まっ……まっ、て」
キスの合間になんとか声を振り絞る。一応離れてはくれたが顔には不満が滲んでいて、そこまで私を求めてくれていることに胸と下腹部が疼く感じがした。
そんな自分に戸惑い目を泳がせながら訴える。
「せっかくだから夜景を……」
話している途中で唇に噛みつかれ、舌先で唇を舐められると背中がゾクッとした。
「さっきたくさん見たからもう見飽きた」
「そん、な」
「俺はこっちに興味がある」
鎖骨の間をトンッと小突かれて顔に火がともったかのように熱くなる。