悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「その可愛さがありますのですわ」

「可憐なのですわ」

腹に響くような低い声で、無理のある女言葉だった。まるで呪いの呪文でも聞いたみたいにルカが「ひえぇ」と情けない悲鳴をもらした。

(相変わらず、破壊力がすごい)

アメリアも、ぞわぞわーっとしてしまった。

もう少し女言葉がアップすれば、若干ぞわぞわ感も少なめになる――気がする。

「あの、ヴァレンティーナ様、殿下のことは大丈夫なんですか?」

いちおう相手は他国の王族だ。

そう思って尋ねてみると、ヴァレンティーナがフッと自信たっぷりの笑みを浮かべた。大きな巻き巻きヘアーを手で後ろに払う。

「城で預かることが決まった際、陛下からは『同世代同士仲良く』と許可をいただいておりますわ」

友人同士のように、と国王が告げたのなら問題にはならないのだろう。

「だから頭のいい美人は苦手だ……」

女装集団の存在に震えながら、ルカが絶対に見ないと言わんばかりに紅茶を飲んでいる。

美人は見慣れているようだ。彼もまたクラークとは違う方向で、美少女集団の中に居ても平気みたいだった。

「初めまして、私はソフィア・ハーバーと言います。エリオット殿下からも、アメリア様のお話は聞いていました。ようやくお話しができて嬉しいです」

「あっ、こちらこそ」

アメリアは、改めてソフィアと挨拶を交わした。続いてヒューゴも自己紹介をしてくれた。

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