悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
クラークとのメモ帳を見返してわくわくしたり、その週に眺められたミッシェルの衣装を頭の中で並べて自己満足に浸る――そんなこともできない自分がもどかしかった。

エリオットから手紙が来たのに、ときめきよりも溜息が先に出た。

両想いになった日から、特別になった婚約者からの手紙だ。それを見て、会うことに躊躇を覚えた自分も嫌だった。

早く考えに決着を付けようとしたものの、一人だと悶々とするばかりで思考は一歩も前に進まない。

(クラーク様なら、ミッシェル様なら、ヴァレンティーナ様なら……思考の整理がついてもいい頃よね)

無力感に苛まれ、時間だけが過ぎてしまった。

そうしている間に週が明け、またしても王弟妃教育の日々が始まった。

王宮から早い時間に迎えが寄越され、乗り込む。

本日は、朝から軍部関係の出席予定があるエリオットが、その前に休憩があるとのことで、少しだけでも時間を共にできることになっていた。

(少し前の私なら……はりきっていただろうな)

エリオットがすねていたので、アメリアも会う機会を増やそうと思っていた。まだうまく素直になれないけれど、彼が喜んでくれるのならうれしい。

でも、今は彼を心配させてしまわないよう装えるか緊張している。

アメリアはすでにエリオットと婚約しているし、結婚に向けて妃教育中だ。それなのにルカはどうして――。

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