悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
(ううん、今は考えてちゃだめよっ。大丈夫、いける。時間は短いし、頭からルカ様のことをいったんどかせば、なんとかなる!)

自分を奮い立たせ、馬車が王宮に到着するのを待つ。

だが停車後、兵たちが見守る中で下車を手伝うラークの顔を見た途端、ぐわんっと心が乱れた。

「笑顔のまま固まると、不自然ですよ」

「……知って、ます」

ルカを置いて行ったあと、アメリアはクラークに今は黙っていてとお願いしていた。

『エリオット様の負担になりたくないの。まずは自分で考えたいです』

クラークにエリオットがいる控室へと案内されながら、あの時は、平気だと思ったことを考える。

週末にたっぷりあった時間で、なんとかなると思っていた。

けれど、かえって頭の中が複雑になってしまったとか、自分が情けない。

「仕事の前に会えて、うれしいよ」

慣れない軍人用の控室に入室してみると、軍服仕様の衣装を着込んだエリオットが待っていた。三人掛けソファに楽に腰を下ろしていて、マントからは装飾の美しい剣が見えている。

アメリアは、エリオットを見て安堵の息を吐いてしまった。

「ええ、私もうれしいわ。ところでそちらのお方は……」

同じくこれから一緒に出席する予定なのか、向かいの一人掛けソファに、大きな騎士が腰かけていた。

もしや、仕事の邪魔をしてしまっていないだろうか。

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