悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
ハワード騎士団長が素直な感想をもらした。

「適当に色々と喋って、周りの側近たちもなんとなく納得する流れになった」

それはそれで、喋ることを躊躇わない彼自身の才である気がした。

「運のよさと、神経の図太さ、か」

やがてそう呟いたエリオットが、分かりやすく溜息を吐いた。

「そんなくだらん考えでアメリアにつきまとっていたと思うと、ほとほと見限る」

「えっ、見限られんのは困る!」

ルカが走り寄り、書斎机に両手をついた。

前のめりに覗き込まれたエリオットが、秀麗な眉をぐっと寄せる。

「なんだよ」

「大人しくしているから国に置いてくれ! 俺、役に立つからさ。その代わり兄弟たちに王位継承権いらないって説得するのを手伝って!」

「押しつけがましいにもほどがあるな。今回のお前の件も含め、そっちの方が大変なんだが?」

そう言ったエリオットが、ふと考え込む。

「……非国交的なバゼリリアン王国と繋がりを持つとしたら、いい材料か―」

これまで、ほぼ無害関係だけを約束した状態でしかなかった。

バゼリリアン王国は、軍事力は近隣の国の中でも最大だ。独自の文化で作られた品物の数々も、質が良いことで知られている。

貿易でも莫大な利益相手になりそうだが、今のところ国単位で取引はない。

「――そうしたとして、俺になんの利点がある?」

エリオットの紺色の目が、ルカへ戻る。

< 185 / 202 >

この作品をシェア

pagetop