悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「少し考えれば分かることですが、隣国の〝薔薇君の令嬢〟として有名になっているアメリア伯爵令嬢を、第二王子殿下からまんまと横取りできたとしたのなら、王座を狙っての権力固めだとますます疑われるかと思いますが」

「……あ、そうか。だから出国前に刺客を送られたのかっ」

どうやら暗殺者騒動が始まったのは、彼がこの国へ行くことを決めた時からだったようだ。

ルカはそれもあって、早めに出国して最短ルートでここへきた。

留学滞在だと言って送る者たちの数を極力減らし、軍馬を走らせた。バゼリリアン王国の男児では、珍しくない移動風景だという。

「でも、道中で襲われたりしなかったんですか?」

「入国してすぐ、ディゼル王国の大公夫妻と会ったんだ。うちの国も一目置いている国だし、ばっちり護衛も連れているし。『一緒に行ってもいい?』って言ったら『いいよー』て言うから、そっちの馬車で一緒に連れてきてもらった」

「やけに運がいいやつだな」

「それでいて驚くほど図々しいですね」

エリオットとクラークが、思わずといった様子で意見した。

そもそもバゼリリアン王国は、ウィルアベル王国の王太子の婚約祝いで使者を出す予定もなかった。

子息の誕生の時と同じく、形ばかりの手紙で済まそうとしていたらしい。

しかし、ルカが父王らに提案して王子たちの代表となった。

「よく説得出来ましたな」

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