悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
何度かクラークの前でも強制的にいちゃいちゃされたが、素直になるというのはまだ慣れないことだった。

「……エリオット様。そ、そういうのをたくさん言われると、恥ずかしすぎるのだけれど」

猫じゃないのよと訴えて、軽く彼の胸板を押す。

「下を向くな。せっかくの顔が見えない」

「だ、だって、恥ずかしすぎて」

「それくらい俺たちには許されることだ。言葉だって、本音で向き合っているのだから、諦めてアメリアが慣れろ」

アメリアの目を自分へと向かせたうえで、エリオットが取っている手を持ち上げて婚約指輪へ口付けた。

惜しみなく愛情を表現をしてくれるところに、アメリアは好感を覚えている。だから膝の上にも座った。

何より、そうされていると、愛されているのだという安心感もこみ上げた。

(エリオット様がどんどん来るせいで、変な風に慣れちゃったのかしら……それとも感化されて?)

改めて客観的に考えると恥ずかしい。いつだってアメリアの人生の中心で、主人公だったのに『高貴なる令嬢』のミッシェルだったのに。

今や、そこにエリオットもいる。

日々自分の中で、彼の存在が大きくなっているのを感じていた。

「アメリア、俺は君が好きだ」

彼の声が、背筋から腰まで甘く走り抜ける。

アメリアの胸は、目の前で落とされた彼の声に甘く震えた。

「……私も、好き」

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