悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
どきどきしながら、どうにか素直に答えた。

「俺の声も好きなんだろう?」

「そっ、そうはっきり言ったことあった!?」

「アメリアの身体が、そう教えてくる」

ちゅっと指先にキスをされると同時に、アメリアはかぁっと頬を染めた。

覚えは、ある。

二人きりの時、エリオットは愛情表現だと言ってキスをしたり触れてきたりした。ゲームのキャラの中で一番〝盛んな〟彼の愛情表現は、初心なアメリアにはくらくらするほど遠慮がなさすぎて――。

それでもアメリアが、慣れようとがんばって付き合っているところ。

与えられる温もりに、身体は従順に反応して甘く疼くこと。

「エ……っ、エリオット様のエッチ!」

みるみるうちに耳まで真っ赤になったアメリアは、たまらずそう叫ぶなり彼の上から降りた。

後ろから聞こえるエリオットの「可愛い反応だな」と言う上機嫌な大笑いから逃れるように、出口から飛び出す。

「元気ですね」

待っていたクラークが、そう言いながら、ランニングの並走のごとくアメリアの隣に続いた。



◆§◆§◆



教育の方は、これまで習ったことのおさらいも含むので、なんとかなりそうだ。

「――問題は、ミッシェル様のストーキングが難しい、ということね」

アメリアは、いつも見てきた兄の真似をして、顎に手をあてて真面目な顔をして考え込む。

しかし、その隣でクラークは顔面を無にしていた。

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