憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました


副院長室から一階へ降りてきた直哉がERに顔を出すと、すぐに待機していた看護師が白衣を差し出してきた。
急だったので、スクラブに着換えるよりもこの方が早い。
また救急車が到着したのか、スタッフが忙しそうにしている。

「救急担当医の高橋先生はあちらです」
「指示を仰ごう」

内科的な疾患の急患が数名いたところに、交通事故の怪我人が運ばれてきているのだ。
広々としたERはひと目で機能的な設備だとわかったが、同時進行で数名の患者を診るのは医師の技量を試されているようなものだ。

緊張感の溢れる現場に、直哉も気持ちを引き締めた。
自分にできることをするだけだ。

「柘植先生はこちらへお願いします!」
「心臓弁膜症で当院を受診中の患者です。交通事故に巻き込まれたようです」

さっそく指示をだしている高橋医師から声をかけられた。
直哉は運ばれてきたばかりの患者のもとへ急ぐ。



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