憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました


***


直哉の気持ちは固まっていた。

(由美に謝って、許してもらえたら……)

どうしてもやり直したい。もう一度、あの頃のように由美と過ごしたい。
直哉の心にあるのは由美との未来だけだ。

そのために、まず立花家の食事会ではっきりさせようと決めた。
食事会とはいいながら、裕実との正式な見合いの場だ。
もしかしから、すぐに婚約とでも言われるかもしれない。

これまで態度をハッキリさせなかった自分の落ち度だ。

呼ばれていたホテルのレストランで、食事が始まる前に院長からストレートに結婚の話が出された。
だが、直哉はすぐに頭を下げた。

「お受けできません。自分にとって一番大切な人を見つけたんです」

直哉の答えを聞いて、裕実は目を大きく見開いた。

「どうして……」

初対面の日から、裕実は直哉と結婚する気でいたようだ。

「お相手はどんな方ですの? もう決まっていらっしゃるの?」

院長夫人も根掘り葉掘り聞いてくる。

「いえ、これから申し込むところです」
「それなら、もう結婚が決まったわけではありませんのね」

院長夫人は諦められないのか、なお食い下がってくる。

「申し訳ありません。自分には彼女しか考えられないんです」



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