憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました
夫人と裕実は憮然としていたが、院長と克実は直哉が正直に気持を話したことで納得してくれたようだ。
「残念だが、こればかりは仕方がないね」
「これからも仕事上は変わりないよ。仲間としてよろしく」
心に決めた相手が由美だとは、この顔ぶれには悟られないように気をつけた。
自分が縁談を断ったことで、立花家から由美になにかされたらと不安になったのだ。
病院の仕事は今後も続けることになったが、手配してくれていた豪華なマンションからは近いうちに引っ越すことを申し出ておいた。
これで最大の問題は片付いたが、由美と話す時間がなかなか持てない。
職場ではお互いに忙しいし、すれ違う毎日だ。
看護師たちから、なんとか由美のローテーションを探り出そうと試みた。
『立花診療所から紹介された佐々木とも子さんの術後の検診のことでミミ先生と話したいんだけど、予定がわかるかな?』
少し怪しまれたかもしれないが、その子の執刀したのは本当だ。
看護師たちから、由美が木曜の午後なら診療所にいるはずだとアドバイスをもらえた。
そうしてやっと、立花診療所で由美と会うことができたのだ。