観念して、俺のものになって
ユミちゃんが可愛く首を傾げて笑う。
「今コーヒーをご用意するので、少々お待ちくださいませ!あ、店長はもう直ぐ戻ってきますよ!」
「あ、はい」
ぎこちなく返事をしたのを見届けてから、彼女は軽くお辞儀をし去っていった。
……もしかして、私って紬さんに会いたくてここに毎日通っていると、他のスタッフさんたちに思われているのかもしれない。
そうでなければ、彼の不在をいちいち教えてくれたりはしないと思う。
確かに今日は紬さんに伝えることがあったから、それは間違いではないけれど……普段は違うよ?
コーヒーが好きだから頻繁に来るだけで、紬さんに会いたくて来てるんじゃない!
と自分に言い聞かせながら、なんだか全部あの人の思い通りになっているような気がして思わず顔をしかめた。
しばらく経って、運ばれてきたブルーマウンテンを一口飲んだ私はもう直ぐやってくるであろう紬さんを待つことにする。