観念して、俺のものになって
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―――半年後、その日は快晴だった。
青く抜けるような空を見つめる余裕もなく、私はひとり膝の上に置いた手を何度も組み替える。
花嫁の支度をするための控室の壁紙は、様々な色のドレスを纏う花嫁たちの肌を一層美しく見せるような優しい白色。
ここで写真を撮影することも多いからなのか、目の細かいレースカーテンから柔らかな自然光が差し込む窓は一畳ほどもある大きなものだ。
今日は私の紬さんの挙式だけど……どうしよう、まだ始まってもいないのに緊張してきた。
目の前に置かれているのは何年も前からあるという、この結婚式場の歴史を感じさせるような飴色のドレッサー。
大きな鏡の中に映っているのは、プロのメイクさんにガッツリ施してもらった自分の顔。
その頭に載ったティアラ、そして纏う白いドレスのあちこちに散りばめられているのは本物のダイヤだ。
それを見て遠い目をした。
まさか、ダイヤにお目にかかれる日が来るとは思わなかったな。
私、今日の主役のはずだけど完全にティアラとドレスに負けてない?大丈夫?
気持ちを落ち着かせるために、息を吐いて鏡から視線を外す。