観念して、俺のものになって
店長はバックヤードに入った先ほどの女性スタッフさんと、他の数名の店員さん達を呼び寄せた。
集められた店員さんたちは、彼から何か指示を出されて、レジ担当の女性以外の全員がカウンターから出て店のあちこちへと向かっていく。
一体何をするつもりなんだろう?
気になって眺めていると、店員さんたちは各テーブルを周り丁寧に膝を折って椅子に座るお客様に目線を合わせながら先ほどの一件について詫び、新しい飲み物を無償で提供すると説明して再オーダーをとっているようだ。
そして、帰ろうとしているお客さんにはどうやらドリンク無料券を配っているらしい。
わぁ、これは嬉しいやつだ!
私だけじゃなかったんだね。
あちこちのテーブルから、ラッキー!どれを頼む!?という嬉しそうな声が上がった。
気まずい空気だったお店の中が、粋な計らいのおかげでいつもの雰囲気を取り戻しつつあって、私は思わず頬を緩めた。