観念して、俺のものになって


おじいさんはダークネイビーのスリーピースのスーツに、ストライプ柄のネクタイを締めており、私のおよそ考える『おじいさん』とはかけ離れていた。

彼は一瞬真顔で私の瞳を見つめ、その後優しそうに笑ってこちらに向かって両手を差し出した。


それにつられて両手を出すと、ぎゅっとそれを握りしめられる。

おじいさんは私の手を握ったまま、
ぶんぶんと手を上下に振った。


「いやあ、まひるさん!
あなたには本当に感謝している!

紬には早く嫁さんを見つけて幸せになって欲しいと思っていたら、こんなに早く結婚するとはなあ!しかもこんなに純粋そうな娘さんと!」


……あ、もしかしてこの人は紬さんの親にガツンと喝を入れたって言う、あのおじいさんだろうか?


そうだ。結婚が決まってから顔合わせしようと言う話になったけど、紬さんの両親には当然結婚自体を知らせていない。

となると必然的に紬さんのおじいさん、おばあさんとうちの親同士が顔合わせになる。

けれど、お互いに遠方で体力的にも難しいから紬さんが私の親に挨拶に行くって形で済んだんだった。

つまり、今日初めてお会いすると言うことで。

なーんだ、厳格って聞いてたけど
全然明るくて優しそうな方じゃない。


「紬さんのおじい様、初めまして。
芦屋まひるです、よろしくお願いします!」


「そんなに堅苦しくなくていいんだよ。まひるさんだったか、それできみはいつウチに来るんだね?」

「えっ、ウチに……?」


「ああ、紬の嫁ということはウチに一緒に住んでくれるんだろう?いやあ、やはり家内と2人だけいうのは気楽だが寂しくてねえ!」

「あの……?えっ!?」


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