観念して、俺のものになって


私は会釈をした後、カウンターの中でオーダーされたドリンクを作り続ける店長をこっそりと盗み見た。


彼の纏う紺色のシャツは、普通のメンズのものよりスリムなデザインで、逞しい筋肉に覆われた体のラインがはっきり出るものだ。

ボタンは喉元まできっちり閉められている。


店長の動きは迷いがなく、近くにいるスタッフに対してもてきぱきと指示をしていた。


読書しに来たはずなのに、気づけば店長のことばかり見てるな。


私がぼーっと眺めていると、店長と目が合った。

店長は私に向かってニヤッと笑って見せる。

なんだかさっきのこともあり、いいように彼に転がされている気がして、唇をむうっと尖らせた。


そんな私に目を少しだけ見開いた店長は、まるで少年のように顔をくしゃっとさせて笑った。


ドキッ

思わずそんな彼に釘付けになる。


……って、いやいやいや、ドキッて何!?

店長さん、営業スマイルだけじゃなくてあんな顔して笑う人なんだって思ったら何故かキュンってときめいた。

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