観念して、俺のものになって
一瞬なんのことか分からなくて、頭上に?マークを浮かべる私に店長が説明してくれる。
私と店長のことを記入する欄の隣にある「証人」という欄には、私たち以外の署名がいるらしい。
ああ、そういうことか。
し、仕方ないでしょ!婚姻届なんて見たことも書いたこともないんだもの!
見苦しい言い訳をしているのを見抜いたのか否か、ヤツは意地悪そうにニヤッと笑い、私を流し目で見た。
「……もしかしてその様子だと婚姻届、見るの初めて?きみ、彼氏とかいないの?」
私は恥ずかしさから顔を真っ赤にして、店長を睨み上げる。
モテモテのあなたとは違って、いませんよーだ!
彼は口元の黒子が持ち上がるほど嬉しそうに笑い、悔しいことにその笑顔にドキッとした私は何も言えずに俯いた。
「……はぁ」
なんとか窓口で呼び出される前に、全て分かる場所を書き終わる。
記載台に伏せた顔を上げ、安堵のため息をついた。