観念して、俺のものになって


「ええと……今日、仕事帰りにお気に入りのカフェに行こうかと思っているんです。そこの珈琲がすごく美味しくて、思い出してたら自然と顔に出ちゃってたのかもしれないです」


「へえ、そんな場所があるのか」


市東さんの瞳がきらりと光る。

あ、その瞳はもしかしたらウォーターサーバーの売り込みができるんじゃないかって考えているんじゃない?


でも、紬さんはなんとなくこだわりが強そうだからウォーターサーバーなんて興味なさそうだし、何よりとても真面目な好青年の市東さんと腹黒な紬さんが一緒にいるところが想像つかないよ。


頭の中で2人が話をするところを想像して、思わずくすっと笑った。


市東さん、絶対紬さんの舌打ちを聞いたらびっくりした顔をしそう!


「……なあ、その店ってどこにあるんだ?」


紬さんは1人でニヤニヤしはじめた私に苦笑を浮かべて、伺うように尋ねた。


「えっ、本当に営業に行くつもりですか?」


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