観念して、俺のものになって
メニューとお冷を持ってきたくれたのは、栗色の長い髪をローポニーテールにしている、笑顔がとっても可愛い女の子。
大学生のアルバイトで、確か名前はユミちゃん。
ユミちゃんは私の顔を見ると、ぱあっと顔が明るくなった。
「こんばんは!いつもありがとうございます!」
「こちらこそ、美味しい珈琲をありがとうございます」
そうそう。私がガゼッタに通いすぎて、ほとんどの店員さんに顔を覚えられちゃったんだよね。
こうやって言われるのも、慣れたものだよ。
女の子はメニューを広げ、「少しお待ちくださいね!」と声を掛けてから一旦店内の奥へと下がる。
「店長呼んでください!」と言う彼女の元気な声が聞こえてきた。
あ、紬さんいたのか。
言われた通りに紬さんの名刺を取り出そうと鞄に手を突っ込んだけど、見せなくても呼んでくれるんだ。
ユミちゃんは間もなく私の席へとやってきて、「今日はどれにしますか?」と尋ねてくる。
「あっ、ええと……そうですね」
特に決めてなかった私は、焦ってメニューに視線を落とした。