観念して、俺のものになって
きっと紬さんを呼んでくれた、ということは彼が約束したドリンク無料を目当てに来たということは伝わっているのだろう。
……本当は1番高いブルーマウンテンを注文したいけど、少しためらってしまう。
タダだからって、遠慮なく一番高いもの飲みに来た女だと思われるのは恥ずかしいかも。
私の考えすぎ?
メニューを見つめ視線を泳がせていると、バックヤードの方から紬さんが顔を出した。
彼とバチッと目が合い、そのままこちらに向かって歩いてくる。
あっという間に周りの女性客の視線を集め、黄色い声が上がった。
「店長、今日もかっこいいですね……!」
「いらっしゃい。ありがとう」
うっとりした様子のOLに、いつもの営業スマイルで対応する紬さん。す、すごいね。
「あの、今日こそライン交換してくださいっ!
無理ならせめて食事だけでも!」
今度は別の女性が猛アタックしているのを目撃し、思わず目を丸くする。
他のお客さんもいる中で、なかなか積極的な人だな!ちょっと感心した。
「何回か言ったと思うけど、教えられないよ。ごめんね」
紬さんに断られて、女性はしょんぼりと方を落としたかと思えばめげずに食い下がった。
「じゃあ、プレゼントは受け取ってくれてもいいでしょ?店長の為に選んだの、お願い!」