観念して、俺のものになって
勢いのまま、前回と同じようにこれからの予定をあっさりと彼に答えた私は慌てて口を押さえた。
恐る恐る視線を上げると、紬さんはまた薄い唇をうっすらと持ち上げ皮肉げに笑う。
「君はそろそろ学習した方がいい。
僕が悪徳セールスマンだったら、高級と謳ったなんの変哲もない羽毛布団を10枚は売りつけられると思うよ」
なっ、それはちょっと大袈裟でしょ!
言い返そうと口を開いたものの、もし悪徳セールスマンとして紬さんが家にやってきたら、
言葉巧みに誘導され、断る隙も与えずにまんまと買わされそうな自分が思い浮かんだ。
ぐぬぬぬぬ、否定できない!
悔しさで顔を歪めると、紬さんがぼそっと一言呟く。
「まぁ、そんなとこも可愛いんだけど」
「何か言いましたか?」
「いや?」
紬さんは瞳を面白そうに煌めかせ、私を見つめた。
「昨日のお詫び、あんまり長く引っ張るのも気になるし、話したいこともあるからそれ飲み終わったら一緒にご飯に行こう。
実はさっき、ちょうど仕事終わりで帰ろうとしてたんだ。それにきみの予定も空いているみたいだし?」
嫌味ったらしくそう言ったヤツはニタリと笑う。