観念して、俺のものになって


「どうして?」

「いや、どうしてって……その、私たちは……」


彼の問いかけに答えようとしたけど、言葉が思いつかなくてそのまま黙り込んだ。

私たちは……どんな関係だろう。


前まではただの常連客だったけど、今は顔見知り?それとも知り合い?

友達では絶対ない。紬さんみたいな腹黒二重人格の男友達は絶対に欲しくない。


でも、こうやって手を繋いで歩くような家族でも、恋人でもない。

この関係にとっさに名前をつけられなくて、そっと視線を揺らした。



「……もしかして周りの視線が気になる?
全然知らない人に、どう思われるかなんてそんなに大事なこと?あっ、ここの角を右だよ。

俺はきみと手を繋ぎたい。これからも一緒にいる俺の気持ちとこれから一生会わないかもしれない他人の視線と、どっちが大事?」

途中で誘導されながら、前を向いて歩き続ける。

「…………」

私はその言葉に何も答えられず、黙り込む。

でも、傷ついたとか嫌な気持ちになったわけではなかった。

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