観念して、俺のものになって


「こんばんは。2名で予約しておいた望月です」

「望月様、いつもご来店ありがとうございます。お待ちしておりました。ご案内いたします」


仲居さんは笑顔を浮かべ、石張りの玄関土間と玄関ホールの間に設けられた式台の上に並べられているスリッパを指し示した。

私たちはそこで靴を脱いでスリッパに履き替える。

静かに立ち上がり、店の中へと視線を巡らせる。

見た感じ畳が敷かれている部屋もあるようだけど、テーブルと椅子は統一されているみたいで。柱や階段の手すりなどは若干年季が入っているものの、傷みやすいだろう廊下や壁紙などは新しく綺麗だった。

和モダンな古民家風で、建物の外観よりも敷居はそれほど高くないかもしれない。

ちょっとホッとしちゃった。


「どうぞ、お席はこちらです」


私たちの準備が整ったのを確認して、仲居さんはしずしずと先導を始めた。

店の雰囲気に呑まれた私は、きょろきょろ周りを見回しながら紬さんの後をついて行く。

予約なんていつの間にしてたの?

それにいつもご来店って、まさかこの人はいいとこのお坊ちゃん……?


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