観念して、俺のものになって
前回、紬さんは確か「俺の奢りで」と言っていたような気がするが、意地悪な彼のことだ。
突然ヤツの気が変わったりした時、ここの支払いができるだろうか、と私は心配になって今財布にいくら入っていたかと考え出す。
こんな高級そうな所にに連れて来られるなんて、思ってなかった。
「こちらのお席へどうぞ」
案内されたのは階段を上がった2階の一番奥にある個室のテーブル席。
その部屋に畳はなく、落ち着いたベージュ色の絨毯が敷き詰められている。仲居さんに椅子を引いてもらい、私はそわそわしながら席についた。
同じように椅子を引いてもらい席についた紬さんは、メニューを手に取ることもなく、仲居さんに向かって「いつものを二つ」と短く注文する。
「承知いたしました。只今お茶をお持ちいたします」
彼女は微笑んで頭を下げ、「ごゆっくりお過ごしください」と声をかけて下がっていく。
姿が見えなくなってから、私はテーブルに身を乗り出した。
「ちょっと……ここ、いくらするんですか!?私はいくら払えばいいの!?」
混乱しながらそう尋ねると、セイさんは机に頬杖をついて私を睨む。