婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「ところで、リディアさん。リディアさんは、レンさんとお付き合いなさっているんですか?」

「え?」

「ほら。お二人は仲が良さそうですし。もし、そうでなければリディアさんにお付き合いを申し込もうかな、と思っていたので」
 あははは、と底抜けに明るい声で笑うエリックには、遠慮という言葉が存在しないのだろう。むしろ、あわよくばという気持ちがあるのか。

「えっ」

 リューディアは究極の選択を突き付けられたような気分だった。エメレンスと付き合っているか。答えは()()()になるはずなのだが、そう答えてしまえばこのエリックから交際を申し込まれる、という流れになる。

「えぇっ」
 リューディアは返答の仕方に困って、「え」という言葉しか出てこなかった。

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