婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「本当は、もっと後にボクの気持ちを伝えようと思っていた。ディアがそうやって悩むのがわかっていたから。時間をかけて、ゆっくりと。予定が狂ったのはエリックのせいだ」
苦々しく言葉を吐き出している。
「君を一人にしておくと、ああやって男が寄ってくるからね。他の知らない男に奪われたら、ボクが立ち直れなくなる。だから、今、思い切って君に気持ちを伝えた」
エメレンスはぎゅっとその手に力を入れ、リューディアの右手を包み込む。
「リューディア・コンラット。どうか、ボクと結婚して欲しい……」
先ほどの言葉から、お付き合いという言葉が省略されていることに、リューディアは気付いていない。彼の気持ちに誠意をもって答えなければ、という思いがあるだけ。
「はい……」
リューディアは空いている左手をさらにその手に重ねた。二人の両手が重なり合う。
モーゼフと共にいたときとは異なるこの気持ち。彼といたときは彼に好かれようと必死だった。モーゼフからよく見られたい、と。だけど、エメレンスの前ではいつもの自分でいることができる。それは彼がくれた眼鏡のせいかもしれないけれど、自分をよく見せようとしなくても、ありのままの姿を彼は受け入れてくれるのだ。
苦々しく言葉を吐き出している。
「君を一人にしておくと、ああやって男が寄ってくるからね。他の知らない男に奪われたら、ボクが立ち直れなくなる。だから、今、思い切って君に気持ちを伝えた」
エメレンスはぎゅっとその手に力を入れ、リューディアの右手を包み込む。
「リューディア・コンラット。どうか、ボクと結婚して欲しい……」
先ほどの言葉から、お付き合いという言葉が省略されていることに、リューディアは気付いていない。彼の気持ちに誠意をもって答えなければ、という思いがあるだけ。
「はい……」
リューディアは空いている左手をさらにその手に重ねた。二人の両手が重なり合う。
モーゼフと共にいたときとは異なるこの気持ち。彼といたときは彼に好かれようと必死だった。モーゼフからよく見られたい、と。だけど、エメレンスの前ではいつもの自分でいることができる。それは彼がくれた眼鏡のせいかもしれないけれど、自分をよく見せようとしなくても、ありのままの姿を彼は受け入れてくれるのだ。